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コペンハーゲン便り10(国際カンファレンス)

 国際カンファレンスのテーマは、’Togetherness as motivation- a 21st century skill?’でした。今回のメインゲストは、OECDのPISAを担当しているDivision of Education and Skills のHeadであるYuri Belfaliさんでした。デンマークで日本人のPISA担当者から話を聞くことができるとは思っていませんでした。

 “Togetherness as Motivation: OECD perspectives”と題されたキースピーチでは、PISAの紹介とともに、OECDではいま’The future of education and skills: Education 2030’という新しいコンピテンシーの開発に取り組んでいるということでした。質疑では案の定、PISAのキー・コンピテンシーは測定可能なものだけを扱っているのではないか、文化が違うのだからある国にとっていい教育モデルでも他国には有効でないのではないか、といった質問が出されていました。

 回答は、PISAは1つの切り口であって、それを通じて教育のあり方について考えてもらうための材料であり、単に順位を競うようなものではない、またOECDはさまざまな指摘や要望を受けて新しい視点で教育を考えようとしており、PISAも固定されたテストをただ繰り返しているわけでもない、ということでした。

 スピーチで会場が少しどよめいたのは、アラビア語圏、イラク、トルコからの移民の生徒の学校への帰属意識のデータが紹介されたときでした。これら移民の生徒たちの帰属意識は、いずれのグループでもフィンランドが80%前後で一番高く、デンマークは60-70%台で低いというグラフが示されました。デンマーク人の参加者にとってはちょっと意外だったのかもしれません。

 参加者200名ほどのうち、日本人はBelfaliさんと私だけ。食事の時に少し話をさせてもらいました。

(写真はシンポのオープニングと質疑の様子)

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