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卒業生の声

研究室を卒業・修了された方々からのメッセージを紹介します。
大久保良次さん  藤原千佳さん  佐藤浩章さん

大久保良次さん

長崎県佐世保市立中里中学校 教諭(社会科)

2007年度学部卒・2009年度大学院博士前期課程(修士課程)修了

現在、地元である長崎県佐世保市の中学校で社会科の教師として勤務しています。またその傍ら、佐世保市郷土研究所という郷土史の研究組織で研究員を兼務しています。

社会科は興味・関心の高い生徒と苦手意識の強い生徒との差が大きく、如何にして生徒の興味・関心を高めていくかを考え、甲冑などの実物教材や郷土史を取り入れるなどして授業を組み立てています。そんな中で、「社会が面白い」や「今まで苦手だった社会が得意になった」という生徒の声が私の励みになっています。「学ぶことは楽しい」ということを私に実感させてくれたのが教育行政学ゼミでした。学生時代に横井敏郎先生からいただいた「何事も勉強」という言葉が私を動かす原動力となっています。

学生時代には、学校統廃合について研究するために3年次編入をしましたが、教育行政学ゼミで学ぶうちに、教育財政へと研究テーマが広がりました。ゼミ生や先生方との日々の会話、調査実習でわかる地域の姿、カンファレンスで気付く様々な視点の全てが私の考えを深め、広げてくれました。自分一人では気付くことができない視点や深みを他者から受けることが学びとすれば、教育行政学ゼミでの4年間はまさに学び多き日々でした。

日本はこれまでの発展一方の時代から「維持」という側面が求められていきます。これからの時代を支えていく子どもたちに私が教育行政学ゼミで感じた「学ぶ楽しさ」を伝えながら、未来を見据え、社会を形成していく力を育成していく役割の一端を責任を持って担っていきたいと思います。

大久保良次さん

藤原千佳さん

恵庭市役所 総務部 総務課 法制・文書担当

2012年度学部卒

恵庭市役所に奉職してからの3年間は、教育委員会でいじめや不登校などの生徒指導を担当していました。現在は、総務課の法制・文書担当ということで、条例や規則などの審査、議会に提出する議案の審査、公文書を保管している書庫の管理などをしています。

出身は富山県で、大学生活の4年間が終われば地元へ帰るつもりでしたが、教育行政学ゼミで恵庭というまちに出会い「私の人生は変わった!」と言っても過言ではありません。というのも、教育行政学ゼミの偉大な先輩方が恵庭市のコミュニティスクール事業というものを過去に調査されており、その事業に大きな魅力を感じた私は、このまちにもっとかかわりたいと思い、残ることを決心しました。

今振り返ると、もう少し真面目に、たくさんのことを学んでおけばよかったのかなと思うこともありますが、私にとって大学生活の思い出はかけがえのないものになっています。特に、教育行政学ゼミの同期たちは、本当に大切な仲間です。そんな仲間がいるからこそ、今も頑張れるのかなと思います。

藤原千佳さん

佐藤浩章さん

大阪大学・全学教育推進機構・教育学習支援部・准教授

1995年学部卒・2002年大学院博士後期課程修了

日本の大学教育のイノベーションを進めるために、授業改善、カリキュラム改革、組織改革に関わる実践と研究をしています。こうした取り組みは、ファカルティ・ディベロップメント(大学教員の能力開発)と呼ばれています。具体的には、教員や将来大学教員を目指す大学院生に講義法やシラバスの書き方といった内容を教えたり、個別のコンサルティングを通して支援をしたりしています。これまで日本ではほとんど出版されていなかった大学教員向けの教科書やオンライン教材も作成しています。

学生時代は、高校教育改革に関わって道内の高校訪問調査に数多く参加していました。当時の小出教授の「とにかく実践現場に足を運べという現場主義」は、いまでもアクション・リサーチという研究方法として継承されています。またゼミでの徹底した文献購読や批判的な議論により鍛えられた思考力は、様々な学部の大学教員と対話する際に役立っています。

学生時代の世界観は、その後の人生にも引き継がれます。教育行政学や学校経営論という学問は、皆さんの日常からは遠い世界のように思えるかもしれません。しかしながら、就職後に目の前の仕事に追われるだけの人間にならないためには、学生時代はミクロな世界ではなく、マクロな世界に触れておくことを強く推奨します。教育は大きく複雑なシステムの中で機能しており、その仕組みを理解しておくことは、教育のイノベーションには不可欠なのです。

佐藤浩章さん
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