コペンハーゲン便り8(デンマーク・フリースコーレ協会2)
デンマーク・フリースコーレ協会では、理事長と渉外担当職員が2時間近くにわたって対応してくれました。私の関心から、デンマークの基礎学校法の理解、自由・私立学校の法人制度、財政、監査等を中心に質問しましたが、デンマークの自由・私立学校に関する法制度の理解が深まりました。
どこの国でも公立学校・国立学校に対して私立学校があります。しかし最近は公設民営というタイプも生まれ、また私立といっても学校設置者は国によって異なります。また各国の社会発展のあり方や教育文化の特徴によって、学校制度の形態と機能は多様になります。同じ北欧でもスウェーデンでは民間企業が教育に参入できるようになっていますが、デンマークの場合は親を構成員とする理事会が学校設置・運営の主体です。親だけでは学校設置は困難なはずですが、協会が中間組織となって学校を支えます。
ただデンマークの自由・私立学校はこうした制度によって支えられているだけではありません。150年にわたる長年の教育的営為の積み重ねと固有の教育文化の発展がその基礎にあります。理事長たちの話には長い歴史を背負っているという意識が強く感じられました。ここを見なければ、デンマークの現在の学校システムを理解することは難しく、また簡単にまねのできるものでもないと思います。
(写真はキッチンと食堂。同じ敷地に3つほどの会社があり、キッチンと食堂を共同で利用しているとのこと。昼食はここでご馳走になりました。)